双子の妊娠中に働いていると、仕事をいつまで続けられるのか気になりますよね。
とくに多胎妊娠は、単胎妊娠よりリスクが高いといわれているため、身体や体調の変化、赤ちゃんへの影響なども心配です。
私自身も双子の妊娠時に、正社員として働いていましたが、周りに多胎妊娠の経験者がおらず、「このまま続けられるの?」「退職するべき?」とかなり悩みました。
他の双子ママたちは、どうしていたんだろう?
そこで今回は、双子の出産を経験したママたちに、妊娠中の仕事についてアンケートを実施。
妊娠中の制度についても解説しているので、仕事を続けるか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【双子ママ100人の体験談】仕事いつまで続けた?
双子ママたちのアンケートでは、妊娠4〜5ヶ月に退職した人が最も多かったです。
双子の場合、単胎妊娠よりもお腹が大きくなるのが早いため、早い段階で退職する傾向がありました。
私の場合、上の子のときは育児休業後に復帰したけど、双子のときは妊娠6ヶ月で退職しました。
妊娠中に退職
双子妊娠中に、仕事を退職したママたちの回答です。
つわりや大きなお腹、職場環境などが理由で退職していました。
出産後に退職
双子を出産後に退職したママたちの回答です。
保育園がスムーズに決まるかどうかが、大きく影響しているようですね。
退職しなかった
双子の妊娠・出産でも退職しなかった、ママたちの回答です。
家族のサポートや経済的な理由から、仕事を続けていました。
双子妊娠中に働くなら知っておくべきこと
双子を妊娠中に仕事をするうえで、知っておきたいことをまとめました。
単胎妊娠と違うことも多いので、よく確認しておきましょう。
双子妊娠のリスク
双子の妊娠は、単胎妊娠よりも様々な面でリスクが高く、マイナートラブルも多いです。
- 悪阻(つわり)症状
- 早産・流産
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 静脈血栓症
- 双胎間輸血症候群
- 逆子(さかご)
- お腹の張り
- 腰痛
- むくみ
- 貧血
- 胃の圧迫
- 便秘
- 頻尿
- 睡眠不足
また、お腹が大きくなるも早いため、妊娠週数が進むほど、ママに体力的・精神的な負担がかかります。
もちろん順風満帆に双子を出産するケースもあるので、過度な心配は不要ですが、リスクがあることだけは理解しておきましょう。
妊娠を職場に報告するタイミング
双子を妊娠した場合、バニシングツインというリスクがあるため、職場に報告するのは8週目以降にしましょう。
バニシングツインとは
妊娠した双子の赤ちゃんのうち1人がお腹の中から消えてしまう現象のこと。
バニシングツインは妊娠初期の6~8週目に起こりやすいため、心拍が確認できて流産のリスクが低くなってから報告するのが無難です。
ただし、8週目以前でも仕事に支障をきたす場合は、直属の上司に妊娠したことだけを伝えておきましょう。
あまり妊娠の報告を先延ばしにし過ぎると、職場での負担が増えた状態で業務を続けることになり、体調が悪化するリスクも高まるので注意が必要です。
私が職場に報告したのは、妊娠12週目ごろでした。
妊娠中は仕事の調整・軽減をしてもらえる
妊娠中に仕事をしている場合、本人が申し出ることで、仕事内容を調整・軽減してもらうことが可能です。
これは労働基準法や男女雇用機会均等法に定められており、会社には守る義務があります。
- 健診時間の確保
- 通勤の緩和
- 勤務時間の短縮
- 体に負担の大きい仕事を避ける
- 休憩時間を増やす
- 残業の免除
とはいえ、いくら正当な権利でも「妊娠したから仕事を調整して!」とはなかなか言いにくいものですよね。
そんなときは、病院で『母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)』を書いてもらいましょう。
母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)とは
主治医等が行った指導事項の内容を、妊産婦である女性労働者から事業主へ的確に伝えるためのカードです。
事業主は、母健連絡カードの記載内容に応じ、男女雇用機会均等法第13条に基づく適切な措置を講じる義務があります。
厚生労働省
「妊婦の健康管理のため、業務内容を調整しなさい!」っていう、医師からの診断書みたいなもの。
母健連絡カードは診断書に代わる正式な証明書ですが、悪阻(つわり)などの症状でも発行してもらえます。
病院によって母健連絡カードを発行する際の基準が異なるため、まずは産婦人科の先生に確認してみるのがオススメですよ。
母健連絡カードで休んだときは、傷病手当金が支給されるかどうかも会社に確認しておこう。
産前休業は出産の14週間前から
双子妊娠の産前休業は、出産予定日の14週間前から取得できます。
単胎妊娠だと産前6週間前からなので、取得できる日数は倍以上です。
とくに双子の場合は、妊娠37週ごろに出産を打診されることが多いため、妊娠23週あたりから産前休業を取得するのが一般的。
ただし、双子の妊娠は珍しいため、会社側が産前休業の期間を把握していないことがあります。
ぎりぎりに伝えると、業務の引き継ぎなどでバタバタするので、事前に「双子なので産前14週間前から休暇をとりたい」と伝えておくとスムーズですよ。
ちなみに産後休業は単胎妊娠と同じで、出産から8週間だよ。
育児休業(育休)は子供が1歳になるまで
育児休業とは、産後の育児に専念するための休暇制度です。
育児休業の基本的な期間は、双子でも通常の妊娠と同じく、子どもが1歳になるまで。
ただし、1歳の時点で保育園に入れない場合は、最長で2歳まで取得できます。
双子の育児は、2人同時の授乳やおむつ替えなど、とにかく忙しいので、パパの育休も検討しておくのがオススメ。
また、育児休業が延長された場合、育児休業給付金の支給期間も延長されます。
双子妊娠中に働いていると手当が支給される
妊娠・出産・育児が理由で休職している場合、その間の経済負担を軽減するため手当が支給されます。
『妊婦健診の補助』や『出産育児一時金』はすべてのママが受け取れます。
しかし、『手当』は、雇用保険や健康保険から支給されるため、会社員だけがもらえるお金です。
傷病手当金
傷病手当金とは、病気やけがで働けなくなったときに、給料の一部を補助してくれる手当金です。
妊娠中のつわりや妊娠高血圧症候群、切迫早産などで休業する場合も、条件を満たせば対象になります。
傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から最長で通算1年6ヶ月。
一日あたりの支給額は、標準報酬月額の平均額÷30×2/3が目安です。
標準報酬月額が30万円なら、1日あたり給与が1万円、その2/3の約6666円が一日の支給額だよ。
出産手当金
出産手当金は、出産のために仕事を休んでいる間、給与の一部を補助するため、健康保険から支給される手当金です。
双子妊娠の場合、産前休業(98日)+産後休業(56日)の範囲で支給されます。
一日当たりの支給額は、傷病休暇と同様に、標準報酬月額の平均額÷30×2/3が目安です。
また、出産手当金と傷病手当金の支給期間が重なった場合は、出産手当金が優先さるので注意しましょう。
出産手当金が傷病手当金より少ないときには、差額を支給してもらえるよ。
育児休業給付金(産後)
育児休業中の生活費をサポートするため、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
ただし、育児休業給付金は働いているママに対して支給されるため、双子でも一人分しか受給されません。
支給期間は、基本的に育児休業を取得している子どもが1歳になるまでですが、保育園の入所状況によっては、1歳6か月や2歳まで延長できることも。
育児休業給付金の支給額は、育休開始から6か月間は給与の67%が支給され、その後は50%が支給されます。
双子妊娠中に退職したら失業給付金の延長を
双子妊娠中に退職することが決まったら、失業給付金の受給期間を延長しましょう。
妊娠中は、「いつでも就職できる能力(健康状態、環境など)」に当てはまらないため、すぐに失業給付金を受給できません。
また、失業給付金の受給期間は退職日の翌日から1年間なので、その期間を過ぎると資格がなくなります。
そこで必要なのが、受給期間の延長手続きです。
受給期間の延長手続きをすれば、通常1年の受給期間を最長4年にまで延長できます。
退職後すぐにはもらえませんが、働ける状態になってから受給することが可能です。
双子妊娠中の仕事はいつまで┃まとめ
今回のアンケート結果では、ほとんどのママたちが妊娠中・育休中に退職していました。
いつまで仕事を続けられるかは、自分の体調や職場環境、家庭の金銭的な部分も大きく影響しています。
とはいえ、最も大切なのは、自分の健康と赤ちゃんの成長です。
妊娠中の制度を最大限に活用し、無理のない範囲で働くのが良さそうですね。
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